『Feature of the Month-Sara MAUVILLY』 11月12日(水)〜25日(火) ※(日)・(月)休廊

風景皿(小)20×高1.7cm
フランスの海や空、自然にインスピレーションを得、美しくも躍動感ある釉調の作品を間近でお楽しみいただければ幸いです。 店主
【Sara MAUVILLY】
1976年 フランス・パリ生まれ
ソルボンヌ大学でフランス文学を学んだ後、ビジネススクールへ進学
卒業後はルイ・ヴィトンに入社
20年間勤め、マネージャーまで昇進したルイ・ヴィトン社を退社
2007年 日本で修業した陶芸家 Annie METZGER氏に師事
2020年 陶芸家として独立 パリ郊外でアトリエArgile124を主宰
2023年 ギャラリーLa Galerie Guihemをフランス・パリ11区に設立
フランス国内のギャラリー(LA LUNE 、123sevres、Maison Wabi-Sabi等)で個展・グループ展多数開催
ノルマンディーやブルゴーニュの陶土を成形し、作品に施された景色を作り出す釉薬は、すべて自然由来による原料(灰・粘土・黄土をベースにした化粧土など)から、モンモラン様式により独自にアレンジしたものを5〜6回重ね、電気窯で焼成。釉薬により配された景色は、フランスの空と海など、風景がインスピレーションの源となっているものが多い。グレーホワイトの暗くたちこめた雲が広がる冬の空、真夏の抜けた青のグラデーションの空、夜明けの空、ヴァカンスで訪れるブルターニュの海、など日々の生活の中で体験したことが作品にインスパイアされている。
【Sara氏からのひとこと】 陶芸との出会いは9歳の時です。パリ郊外Val d’OiseにあるEngobe Bleuのワークショップで 初めて体験レッスンを受けました。まさに陶芸に一目惚れでした! フランス、ルイ・ヴィトン社で長らく働きマネージャーまで務めましたが、工芸への情熱と、 日本の陶芸を理解し形にしていきたいとの強い思いから、陶芸家に転身しました。 30歳になった時、仕事の傍ら、日本で陶芸を学んだAnnie METZGER先生に師事しました。 Annieは私に日本の陶芸の技法を惜しみなく伝授してくれました。その後もAnnieよりゼーゲル 方式の釉薬の調合を図式化したMontmollin氏の技法を学びました。 好きな陶芸家は、ルーシー・リー、アラン・ヴェルニス、日本の炻器から影響を受けた19世紀の 陶芸家ジャン・カリエス。現存の陶芸家ではジャン・ジレルです。 日本の陶芸家では、楽家歴代の楽焼と民芸の浜田庄司が好きです。また浮世絵の葛飾北斎 「富嶽三十六景」、歌川広重「東海道五十三次」の重ね摺りの木版画技法に共感します。 日々の制作のインスピレーションは、主に自然(土、鉱物、植物)と季節から得ています。 焼成に電気窯を使用している利点は、エネルギー消費が少なく、温度上昇が非常に安定して いることで、その利点を生かした釉薬の実験も出来ます。 作品は、Montmollin氏の技法による釉薬の化学組成と組み合わせの可能性、色と形の マッチングなどを考慮しつつ、制作します。しかし最終的な結果を決めるのは火なのです。 陶芸家としての私の仕事は、手を通して土と対話し、水や空気といった他の要素と常に共鳴し 合うことを楽しんでいます。 日本の「侘び寂び」の精神を私なりに解釈し、形と色の調和を追求しながら、自然や季節に 即した、純粋さ、静けさ、シンプルな形の作品を心がけています。 日常生活で使われる器やオブジェから親近感を感じてほしいと思っています。
*引用資料 萩慶子氏訳『Sara MAUVILLYの陶芸』

ふらんす蕎麦CHOKO 径8×高7cm

中皿blue 径14.6×高4.6cm

花入 vase-Mingei-geographie 19×11×高21cm